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2.人間行動の前提条件
1)図2に示すとおり、人間の行動は情報受容と内部感覚に基づいて行われている。
2)内部感覚であっても、呼吸、食物補給、排泄、睡眠といった生理的欲求以外の感覚は、社会性を帯びていて外的環境の刺激を要因とする場合が多い。食欲や睡眠も極限状態を除けば、外部刺激の影響を受けている。
3)このように人間のほとんどの行動は、外部からの刺激、即ち情報の受容を要因としている。
つまり情報受容は、人間の行動の外的な前提条件である。
4)受容した情報は、行動に移る前に、脳に送られてさまざまな意識活動が行われる。
5)意識活動には、状況を認知、理解して思考、判断する知性的、理性的な意識から、美しさや秩序などを感じる感性的な意識、快・不快、怒り、恐怖などを感じる感情的な意識など、さまざまな階層がある。
6)意識階層のうち、感性的・感情的意識としてくくられる内部感覚は、人間行動との関わりにおいて無視することのできない重要な意識で、そこで根源的な「価値付け」が行われると言われている。
つまり内部感覚は、人間の行動の内的な前提条件である。

 

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この項では、浅居喜代治「現代人間工学概論」(オーム社、1980年)、羽根義ほか「地下・光・空間そして人間」(テクネット、1988年)、「地下鉄における居住性の改善に関する研究報告書」(日本鉄道技術協会、1991年)を参照した。

 

 

 

 

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